Breeze in Savanna

井上胃腸内科クリニック

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コラム


自然写真家と内科臨床医 2つの視点で生命を見つめて

子どもの頃の夢は、動物学者か動物写真家になってアフリカの大地に立つことでした。
32歳で東アフリカのサバンナの大地に初めに立った時、なんとも言えない懐かしさをおぼえたものでした。
壮大な朝日と夕陽の輝き、命の摂理に従って生きる美しい動物たち、そして爽やかに頬をなでていく風・・・・・。
この大自然に深い感動をおぼえた私の中で、「サバンナでの感動を伝えたい」という抑え難い想いが湧きあがってきました。
そして、あまり経験のなかった写真に取り組むようになりましたが、最初の頃は全部ピンぼけ、そんな状態からのスタートでした。
「サバンナでの感動を伝えたい」という想いは、やがて写真展の開催と写真集の出版という新たな夢に変わっていきました。

夢が実現したのは通い始めて8年目、写真展「サバンナが輝く瞬間(とき)」を開催する機会に恵まれました。
その会場で、自分自身の感動が写真によって伝えられた喜びに浸っていました。
この写真展は次の夢である写真集の出版につながり、翌年この写真集は、アマチュア作品の最高賞である林忠彦賞に選ばれました。

さらに大きな喜び、それは来場者の「元気になりました」、「やさしくなれそうです」、「癒されました」などの感想でした。
医の原点である癒すという行為が写真でできたのです。これを境に、今まで趣味にすぎなかった写真活動が医療と同じ方向性を持ち始め、私のライフワークとなりました。

 私の写真に人を癒す力があることに気付いてから、動物たちの劇的なシーンだけでなく、「サバンナの大自然の持つ癒しの力」を撮ってみたいと思うようになりました。 その想いが、癒しの環境作りを意識した最初の写真展「サバンナに心癒されて」につながりました。そこで、私の切り取り方で癒しの環境作りが出来ることが証明され、以後、数々の病院などでその活動を展開してきました。

写真活動が増えるにつれ、大学病院の勤務では私の活動に限界が生じてきました。家庭的な事情も重なり、1998年に20年間勤務した慈恵医大を退職し、横浜にある松島クリニック(内視鏡、とくに大腸鏡を中心とした専門病院)に移り、内視鏡検査、一般外来、炎症性腸疾患の特殊外来を受け持ち、診療にあたっています。

1999年からは井上冬彦写真事務所を設立し、プロとしての写真活動を開始しました。
この活動には、写真集の出版、写真展、雑誌などの執筆(写真と文章)、写真の貸し出し(カレンダー、雑誌、ポスターなど)、オリジナルプリントの販売、サバンナの感動を一般の人と共有するためのツアー開催などがあります。

2つのライフワークである写真と医療を統合した活動としては、前述の癒しの環境作り以外に、医師として"人間の生と死"、また自然写真家として"野生の世界の生と死"を見てきた経験から、「生と死」「共生」「自然の掟」などをテーマとした講演活動もおこなっています。

 

今後も、この2つの視点で生命、医療、共生などのテーマについて考え続け、表現活動をおこなっていきたいと思っています。
この一連の活動が、多くの人達を癒し、さらには生きる意味の発見の契機になれば幸せです。

井上冬彦

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